OANDA社のオーダーブックの各領域の意味と予想練習
僕の手法では、トレンド判定のインディケーターとOANDA社のオーダーブックを使っています。
オーダーブックの中でも中心に見るのはオープンオーダー(注文状況)です。
エントリー、利確、損切りは全てこの2つで判断しています。
ただし、環境認識のために、各通貨間の強弱、株価の動き、オープンポジション(ポジション状況)などを参考にしています。
オーダーブックを知ったきっかけは東大院生が考えたスマートフォンFXという本でしたが、同時期にこれを使用したトレードをYouTubeで配信しているカニトレーダーカズヤング氏を知り、勉強を始めました。
カニさんの考え方はかなり理解してきたと思っていますが、カニさんの経験値や変態的な判断はとうていマネできないので、全く同じようにトレードする事は難しいと思います。
少しでも近づけるように、自分の力量を考えて工夫しながら模索しているところです。
オーダーブックの見方についてはOANDA社のHPにもありますが、僕が実践で使っている見方でまとめようと思ってこの記事を書きました。
https://www.youtube.com/channel/UCDRGBNIAvHMUzyE0tJzy84A
オーダーブックとは
閲覧方法や入手方法等は以下の記事で書きましたので省略します。
ここでは、どの部分がどんな意味を持つのかについての話を中心にします。
その前に基本のおさらいから。
・ロング 買いのポジション
・ショート 売りのポジション
・指値 今の値よりも低いところで買いたい、または高いところで売りたい時に予約をする事。
・逆指値 今の値よりも高いところで買いたい、または低いところで売りたい時に予約をする事。
指値と逆指値についての補足ですが、すでにポジションを持っている場合とこれからポジションを持とうとしている場合によって意味が少し変わります。
例えば「買いの指値」で考えると
すでにポジションを持っている場合というのはショートの決済ということになります。「ここまで下がったら利益を確定しよう」という予約です。
これからポジションを持とうとしている場合はロングのエントリーという事になります。ロングは少しでも下からエントリーした方が有利なので「ここまで下がったらロングでエントリーしよう」という予約になります。
指値では、前者もありますが、後者の方が多いのではないでしょうか。
では、逆指値はどうでしょう?
例えば「買いの逆指値」で考えると
すでにポジションを持っている場合というのはショートの決済ということになります。「ここまで上がったら諦めて損切りしよう」という予約です。
これからポジションを持とうとしている場合はロングのエントリーという事になります。ロングは少しでも下からエントリーした方が有利なのに「ここまで上がったらロングでエントリーしよう」という予約になります。
「ここを越えたら上目線になるので、越えたらロングでエントリーしよう」っていうような手法でなければ普通はしないんじゃないでしょうかね。
なので、逆指値はほとんどが前者の損切りの予約という事になります。
実はオーダーブックを使った手法では、この損切りの予約である逆指値が重要で、これを燃料と呼んでいます。
なぜ逆指値が重要かという事ですが、それは「相場は損をする人が多い方に動きやすい」傾向があるからです。
損をする人がいるから儲けられる人がいるわけですから、損をする人が多い方へ動きやすいのは理にかなっています。
では、実際にどこをどう見たら良いのか説明しましょう。
オープンオーダーの各領域
下の図はドル円のオープンオーダー(注文状況)のグラフです。
(2019年2月22日14:00のもの)
これをメインに見ます。
赤丸で囲まれているところに「ショート」「ロング」と書かれています。
つまり、真ん中に引いた赤線の左側が「売り注文」右側が「買い注文」と言う事です。
そして、真ん中の緑のラインが現在の値です。
買いの逆指値(買いの燃料)
現在値より上の買いの注文、すでにショートを持っている人が、ここまできたら損切りしようと予約している量を表している。
上がるためのエネルギーです。
売りの逆指値(売りの燃料)
現在値より下の売りの注文、すでにロングを持っている人が、ここまできたら損切りしようと予約している量を表している。
下がるためのエネルギーです。
売りの指値
現在値より上の売りの注文、ここまで上がったらショートエントリーをしようとしている、または、下で持っているロングをここで利益確定しようとしている量を表している。
上がらないように抵抗するエネルギーです。
買いの指値
現在値より下の買いの注文、ここまで下がったらロングエントリーをしようとしている、または、上で持っているショートをここで利益確定しようとしている量を表している。
下がらないように抵抗するエネルギーです。
エネルギーの大きさ
抵抗と燃料のエネルギーの大きさには2つの特徴があります。
・1当たりのエネルギーの大きいは燃料の方が大きい。
例えばグラフの長さが抵抗50、燃料50だったとします。
グラフの長さ的には差し引き0になります、エネルギーの大きさは燃料の方が大きいので燃料側に進みやすい。
・燃料が多ければエネルギーはもっと大きくなる。
抵抗50、燃料50よりも抵抗100、燃料100の方が燃料のパフォーマンスが上がるということ。
予想の方法
このオーダーを例に少し予想の練習をしてみましょう。
最初に見るのは買いの燃料と売りの燃料になります。
燃料以外の部分を隠して見るとイメージしやすいかもしれません。
※これは画像処理で指値を隠しているので、実際にはこの様な表示はできません。
どんな風に見えますか?
上下ともにそれなりに膨らんだ部分があって、総量はやや上の方が多いでしょうかね。
総量はやや上が多いですが、上下ともに膨らんだ部分があるので上と決めつけるのは危ない状況です。
次に、抵抗を戻してみてみます。
量的にはどちらも同じ感じでしょうか。
これだけでは分かりにくいので、抵抗と燃料を差し引きした量を表したグラフ(純額)を見てみましょう。
これは、切り替えで表示する事ができます。
オレンジのグラフは差し引き抵抗が多い部分、青いグラフは差し引き燃料が多い部分になります。
オレンジのグラフが長いほど抵抗を受けやすい事になりますが、エネルギーの大きさのところで述べたように、燃料の量でパフォーマンスが変わる事を考慮しなければいけません。
上の図では上がらないように抵抗するエネルギーが大きいところに差し掛かっているようですね。
ここで反発して下がるのか、この抵抗を打ち破って上がるのか…それともレンジか…
現在値の直近の当たりを見てみましょう。
現在値の下3列ぐらいの燃料がほとんどないのが分かりますか?
それに対して上の燃料はそこそこの量がありますよね?
以上の点から僕ならこう考えます。
上を目指しているが抵抗され反発しそう。
しかし、下がる燃料がないので下がれない。
上は抵抗されているが燃料はそこそこあるゾーンに差し掛かっているので、時間をかけて上がっていくかもしれない。
下の燃料の塊は少し離れていて、そこまでの燃料はかなり少ないので、上の抵抗を崩すチャンスではある。
少し下がったらロングエントリーはありかも。
ただ、直近下の燃料が増えたら注意!
この場面で僕がトレードするなら110.750と110.700に買いの指値、損切りは110.545、利確目標は110.950超えくらいの設定にすると思います。
このオーダー状況は、この記事を書くために適当に用意した場面なので、実際にはここでトレードはしていません。
書き終えてチャートを見てみるとこんな感じでした。
矢印のところが今回のオーダー状況の場面です。
750の指値が刺さり、上がったのは900までですね。
高値つけたあとのヨコヨコになった時に870辺りで利確出来ていれば良しですが、できていなければ急落で700も刺さって、2列が捕まった状態になってますね 苦笑。
今回はここまで、オーダーブックについてはまた何か書こうと思います。
https://clubt.jp/sp/product/555290_79002267.html